一般社団法人飯塚青年会議所

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CONVICTION

理事長所信

はじめに

 この度私は、70 周年という大きな節目を迎える一般社団法人 飯塚青年会議所(以下、JCI 飯塚)の舵取りを担う重責を拝命いたしました。目まぐるしく移り変わっていく現代において、我々青年経済人が地域社会に担う責務の大きさを胸に刻み「明るい豊かな社会」の実現を目標と掲げ、JCI 飯塚として様々な地域課題の解決に貢献し、地域の発展へと繋げてまいります。

感恩報謝の精神

 皆様は、人から恩を受けた時、または感じた時。その恩をどのように相手に報いていこうと考えますか。感恩報謝、私はこの言葉の意味を「恩に報いてはじめて感謝と成る」と解釈していました。さらに、この言葉の意味には「頂いた恩に最高の礼をもって報いること」というものがあることを知りました。私はその意味を聞いて少しの違和感を覚えました。それは、私が先輩や地域の方々から頂いてきた恩は、とても直接その方々に報えるようなものではないと感じたからです。私は、JCI 飯塚に入会させて頂いてからこれまで、本当に多くの出会いや気付き、学びや挑戦ができる機会を与えて頂いてきました。その恩の大きさは、その方々に直接報えることができるような大きさではなかったのです。では、どうすれば恩に報いて感謝を伝えることができるのか。私は、頂いた恩をその方々に直接的に返すのではなく、次に贈ることでその恩に報いることに繋げられるのではないかと考えました。「報いる」という言葉に報せるという意味があるように、これまで大きな恩を頂いてきた私が、今度は私自身が報いることのできるメンバーや地域の方々に、少なくとも頂いたもの以上の恩を繋いでいこうと。そうすることで、頂いてきた恩はより大きな力となり、何よりそれをまた違う誰かが繰り返していくことで、さらにその感謝の輪を大きくさせていくことに繋がるのではないかと考えました。これこそが、私が恩返しをしないといけない方々に対する最大の恩返しとして受け取って頂けると確信し、本年度のスローガンとして掲げさせて頂きました。本年度、JCI 飯塚のメンバーにはこの感恩報謝の精神をしっかりと共有して頂き、受けてきた恩の輪をどこまでも広げていけるよう共に活動してまいります。

45年間の時を経て

 本年度、JCI 飯塚は約 45 年ぶりに公益社団法人 日本青年会議所(以下、JCI 日本)の会頭を輩出させて頂くという機会に恵まれました。これは地域に特化した JCI 飯塚のローカルな活動と、世界を見据えた JCI 日本のグローバルな活動を直結させることができる、最大のチャンスであるということ。同時に、我々の同志である麻生会頭が、世界に先駆け活躍するステージで掴んだ情報や経験を、リアルタイムでこの地域に落とし込むことができるという千載一遇の好機を得た年度であるともいえます。本年度、JCI 飯塚は 70 年間という激動の歳月を経て磨き上げられてきた歴史を『地域そのもの』とし、JCI 日本のビジョンにもある「地域に根差し、国を思い、世界を変えよう」というパワーは我々を後押しする『大きな輝き』であると捉え、この地域をより広くより明るく照らしていけるよう活動することこそが、我々に与えられた使命だと確信し、力強く活動を推進致します。

創立70周年記念

 先述したように、本年度は創立 70 周年の節目を迎えます。過去に諸先輩方が築き上げられてきた 70 年という偉大なる礎の上に、我々現役世代は立たせていただけているということに深い感謝と敬意を示し、我々の活動を未来へ繋げる盛大な事業として成功へ導きます。
 本年度、JCI 飯塚は対内的な事業である創立記念式典と、対外的な事業としての記念事業の2つを計画しております。まず、創立記念式典では多くの諸先輩方や同志の方々と、これまでの歴史とこれからのビジョンを共有することができる厳粛且つ盛大な式典とし、これからの活動へと繋げていけるよう運営を行います。また、記念事業ではこれまでの歴史の中で関りを頂いた方々のみならず、この地域内外の多くの方々にも感謝を伝えられる事業を行います。我々JCI 飯塚が総力を結集し、「お祭り」として記念事業を行うことでこれまでの方々には感謝を。これからの方々には JCI 飯塚を知っていただく機会とし、この地域の方々と共に盛大に行えるよう取り組みます。

ビジョナリーシティ策定計画

 あまり聞き馴染みのない言葉ではあると思います。これは、JCI 日本が推進している JC の中期ビジョンをそれぞれが活動する地域の方々と共有し、まちのビジョンとして共に発信し解決しようという取り組みです。我々は「明るい豊かな社会の実現」を長期、理事長所信を短期のビジョンとして定義付けています。では JC に、またはこのまちに、共有できる中期のビジョンは必要ないのかというと答えは否です。我々が今まで行っていた短期ビジョンの策定は JC が主語になりがちで、まちや人のためといってもその考えは地域と明確に共有できていたとはいい難いものでした。このまちの、それぞれのステークホルダーの方々としっかりとこの地域の未来を描き、共感をもって取り組むことで人の心を動かし、行動を変えることに繋がると考えます。本年度はこのまちの方々と共に策定したこのまちの中期ビジョンを創立記念事業などでも発信し、共に歩みを進めていけるよう取り組みます。

持続可能な明るく豊かな地域の開発

 まちは人を育て、人はまちを発展させます。そのまちづくりにおいて、今も昔もそれぞれの地域で多種多様な挑戦が行われ、それぞれの成功やそれぞれの失敗を繰り返しています。ではなぜ人はそれに挑戦し続けるのでしょうか。それは、まちが衰退しまたは魅力のなくなってしまった地域では、よい人づくりに結びつけることができないからです。では、地域の魅力とは何かと考えてみると、それは人と人との距離感だと思います。SNS やインターネットの書き込みでは感じることができない人の温かみです。これからもメタバースのような仮想空間は広がり、我々が想像すらできないようなコミュニケーションの在り方が生み出されていくのだと思います。これはそういったものを否定するためのものではなく、仮想やネット上にはない現実空間の良さ、すなわち人の温かみを感じられる持続可能な地域の魅力を開発することで、この地域を元気づけ、訪れてみたくなるような、帰りたくなるような、そういう地域になるよう取り組みを行うということです。まるで友達の家であるかのような、ホスピタリティーの溢れる地域になるよう仕掛けていくことでまちの魅力は高まり、人の温かみをもった人財がこの地域からどこまでも羽ばたいていけるよう、目標は高く、必ずそうなると確信し事業構築を行ないます。

次代を担う多種多様な人財の開発

 すべての人が、平等に無知なその時々を経験し今に至っています。時間は等しく平等に与えられますが、機会に触れる時間は平等でしょうか。私は、多くの様々な子どもたちが多くの経験を積み、より早く様々なことに気付けるようになり、そういった機会に多く触れられることが人として成長し、挑戦していく過程でとても大切なことだと考えています。何ができないから、何ができるからと人を決めつけ機会を奪っていませんか。たしかに、私はすべての人間が等しく機会に触れることは不可能なのだと思います。ですが、ダイバーシティやジェンダーフリーなどに代表される現代社会が目指す多種多様な生き方、働き方が叫ばれる中において、子どもたちにどんな人間でもそういった社会では活躍することができるんだということをしっかりと学んでいただき、それに気付ける機会を増やすことを我々が率先して創出していかなければ、次代を担う大いなる可能性をもった多くの子どもたちは、それに気付ける機会にすら触れられないと思うのです。そうならないために、日々の日常だけでは学ぶことができない多種多様な考えに触れ、自分の可能性を自ら引き出すことができる機会を設け、「わたしには可能性がある」それを自覚できる機会を増やしていくことで、次代を担う人財の開発へと繋げます。

アカデミーメンバー(新入会員)との共成

 JC メンバーとして、アカデミーメンバーと聞いてどういった印象を抱きますか。誤解を恐れずいうと、私は、なんとなく JC に対し知識も少なく関心が薄い存在だと感じ、特に頼ることも理解し合おうとすることもなく接してきました。これが JC メンバーが同志たる JC メンバーと対峙した時に抱く心情だったのです。では、その考えはどこから生まれたのでしょうか。長く JC 活動に関わっていると独自の成長スキームがあり、一般の社会では考えられないような試練に見舞われることがあります。そういったことを繰り返していくことで、いつの間にか JC の当たり前を自分の当たり前として受け入れてしまっていたことが、原因だったのではないかと考えました。入会して間もないからこそ、JC に対しての知識が少ないからこその意見を拾い上げるチャンスを失っていたのです。我々が行うまちづくりやひとづくりにおいて、新しい価値観やまったく違った角度の意見を取り入れていかなければ、それは多様性をもった活動とは程遠く、なにより今まで軽くみていた意見が実は、モノの本質であった可能性が多くあったはずです。本年度はそのことを我々メンバー自身が深く理解し、その機会を率先して創出し、共に成長していく 1 年とします。今こそ改めて「こうあるべき」「そうあるべき」といった自分の当たり前を拭い去り、本来の個々がもつ素晴らしさを、アカデミーメンバーと共に追求したいと考えます。

例会運営について

 これまで例会というものは、対内活動の一環として時の理事長の話を拝聴し、様々な活動報告を行い、アワーを通じて成長や気付きを得られる時間として過ごしてきました。しかし実際に運営する担当委員会の負担が過度になり、また年 11 回を重ねる事業として趣向が偏ってしまうことがありました。当たり前です。それほどの作業を 1 年間繰り返し続けなければならない状況で、新しい発想を取り入れ続けることなど容易にできるはずがありません。また、例会委員会の事業であるが故に参加する他の委員会メンバーも、どこか招待を受けているように誤解をさせてしまっていたのではないかと考えさせられました。そこで本年度は、各委員会にアワーの構築を分担し、例会委員会は厳粛な例会の式典の運営を行いながら、例会委員会も含めた各委員会はそれぞれの目指す事業目的に沿ったアワーを行い 1 年間活動してまいります。これは挑戦です。色々な意見があると思います。しかし、時代や環境の変化に柔軟に対応していかなければならない現代において、挑戦こそ我々がやらないといけない最大の使命ということを自覚し、取り組まなければなりません。また、青年経済人が一堂に会する貴重な場を活かしたスケール感のある例会とするためにも、しっかりとアワー内容についても審議を行い、JCI 飯塚たる所以を引き出せる場と致します。そして、例会委員会においては普段の我々の活動を支える家族や友人、社員の方々などに感謝を伝えることをテーマとしたアワーを行うと共に、近年取り組み続けてきた運営システムの向上を担いとします。

感謝の輪を広げる会員拡大

 毎年、必ずといってよいほどこの議論が取り沙汰されます。それはこの問題がそれほど我々にとって重要な問題であるということだからです。現在日本国内には約 684 の LOM があり、そのうち約 400 の LOM は 30 名以下のメンバー構成となっています。ここ数年 飯塚JCでは 100 名前後の構成を維持しておりますが、全国的にみれば 100 名を超す LOM は全体の15%程度と限られたものになっています。そして、会員数に伴った会費からなる地域事業に還元できる費用も、簡単に説明できる計算としてその違いは一目瞭然です。また、このメンバーの数から得られる効果は、純粋にその数の分だけ互いの成長や気付きの機会に恵まれるということです。逆に一時でも会員数の減少を許してしまうと、その機会が失われるということでもあります。そうなれば、我々は恩を受ける機会も、恩に報いる機会も失ってしまい、感謝の輪を広げるどころか明るい豊かな社会に向けて立ち向かうことすら危ぶまれることになります。時間は有限です。限られた時間の中でどれだけ多くの機会を創出し、多くのメンバーと時を共有できるかは我々の努力次第でコントロールできるのです。より多く恩に報いるためにも、より多くの機会を生み出し、より多くのメンバーと関る機会を生み出さなければならないのです。本年度はアカデミー育成と拡大活動を分離させることでその担いを明確化し、少数精鋭で会員拡大の道を切り開いてまいります。

最後に

 冒頭にも述べましたが、本年度 JCI 飯塚は 70 周年という大きな節目を迎えます。この70 年間という時間の中でいったいどれほどの議論、討論が繰り返され、どれだけの人間の成長を生み出し、どれだけの想いが交錯してきたのか。想像するだけでも胸が熱くなる想いです。きっとそれは、それだけの感恩報謝が繰り返されてきた歴史でもあったのだと思います。そして、これからも JCI 飯塚を 80 年 100 年と発展させ続けるために、我々現役は輝く個性が調和する持続可能な地域の実現に向けて挑戦し続けていかなければなりません。組織において「変えてはいけないもの」「変えてもよいもの」「変えるべきもの」このことをしっかりと意識し、覚悟と責任をもって時代に先駆けた改革を行っていくことで、より強く魅力的な組織へと変革を図り、この地域に必要とされ続けられるよう感恩報謝の精神を心に刻み、メンバー共々邁進していくことをお約束申し上げ、本年度の所信表明とさせて頂きます。

事業計画

  • 創立 70 周年記念式典および記念事業の実施
  • 共感し共に歩むビジョナリーシティ策定
  • 持続可能な明るく豊かな地域の開発
  • 次代を担う多種多様な人財の開発
  • アカデミー共成事業の実施
  • 挑戦こそ使命!例会(システム革新・家族の支え)・総会運営
  • 感謝の輪を広げる会員拡大
  • 新春祝賀会、忘年会の運営
  • 台東国際青年商會との継続的な国際交流
  • JCI 飯塚全体で取り組む山笠運営

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